介護の仕事でも施設での夜勤は夜勤手当もあり時給も高めです。
私もそう思いグループホームの夜勤をパートで勤めたことがあります。
夜勤と聞くと楽なのか?大変なのか?皆さんはどう思いますか?
夜間だから皆寝ているし楽そう?人が寝ている時間に働くから大変そう?私も働く前はどちらの思いもありました。
実際に私が働いた感想は楽な部分は3割程でやはり7割は大変と感じました。では楽と感じた部分と大変と感じた部分、大変な時どのように解決したか、仕事内容も一緒に次項から順にお伝えしていきます!
グループホームの夜勤の仕事内容例
22時 出勤 申し送り 介護記録に目を通します。
23時 巡視 オムツ交換
24時 洗濯たたみ 床のモップがけ
1時 巡視 オムツ交換
3時 巡視 オムツ交換
5時 朝食調理
6時 起床の声掛け トイレ誘導 朝食セット 朝食への声掛け、誘導
7時 申し送り
大体このような仕事内容になっています。上記には書いていませんが他にトイレ介助や眠れない人への対応なども主な仕事になります。(この眠れない人への対応が重要になってきます。後ほどお伝えしていきます。)
グループホームは要支援2または要介護1以上の認知症の方が入所できます。
私の勤めたところは3階と2階がグループホームになっていました。
入居者1人の方に対して1部屋です。2階、3階共に各9部屋ありました。
皆が集まれるフロアやキッチンが真ん中にありトイレは、ひと部屋ずつにはなく階ごとに2箇所ずつありました。大家族の家のようです。
私は3階を1人で任されました。大体、夜勤の職員は1人が多いようです。(職員1人という体制も楽な時は人間関係など気にせず気楽で良いのですが大変な時には猫の手も借りたい心境になります。)
グループホームの夜勤の楽な部分
日中は夜間と違い入居者の方は活動しています。そのため食事や入浴、掃除や洗濯、おやつやレクリエーション、他は何か作り物ができるよう誘い手伝ったり職員は業務がいっぱいで忙しいです。
それに比べて夜間は寝る時間です。入居者の皆さんがぐっすり眠ることができれば何事もなく時間は過ぎていくため楽です。職員同士の人間関係に悩まされることもありません。このように平和な日もあります。私の施設は週で例えると3日位は平和でした。
グループホームの夜勤は実はかなり大変
夜勤は入居者の方も寝静まり楽なイメージがあるでしょうか?
夜勤は日中のように食事や入浴、掃除や洗濯、レクリエーションなど業務は盛沢山ではありませんが思ってる以上に実はかなり大変です。
私が1番大変と感じたことは自分の体の問題があります。本来なら夜間は睡眠を取る時間帯です。よく22時~2時の時間に睡眠を取ると良いと聞きますよね。夜勤で働くための生活リズムを作ること、もう1つは職員は1人しかいないのに夜間に眠れず困った行動をする入居者さんが日によって複数みえます。1人1人の対応がかなり大変でした。順に説明させて頂きます。
生活リズムを作ることが一番大変
まずは、自分自身の生活リズムが逆になることが何と言っても一番大変です。
私の勤めたところは夜の10時から朝の7時までの勤務時間でした。他も大体同じような勤務時間が多いようです。
夜勤で働き、朝帰ってくると足がパンパンにむくんでいて早く靴下を脱いでゆったりとした服装に着替えたくなります。肌がカサカサしたり風邪も引きやすくなります。やはり人間の体は夜は寝るようにできているんだと実感します。
昼間はゆっくりしてお風呂に入って夜ご飯を食べてから出勤です。
ただ昼間ゆっくりとは言っても家族や友人など周りは日中行動しているのでゆっくりしたいと思っていてもなかなかそうはいかない時がほとんどです。
基本は日中にゆっくりするのが良いですが、そうはいかない時は少しでも仮眠をとって仕事に行くようにしていましたが無理をすると体が持ちません。自分なりに生活リズムを作るのが大変でした。
入居者一人一人の対応も大変
夜勤は上記の仕事内容の他にも眠れず活動している人の対応が重要になってきます。認知症の方が入居しているので夜間の方が活動が活発になることが多いです。
一人の入居者さんがタンスの中の衣服を全部出してお金がないと探していたり、もう一人の人は家に帰りますと帰る用意をし本当にそのまま帰ろうとされたり、入居者さん同士で喧嘩になってしまったりすることもあり皆さん本当に様々です。
このような状況が一人だけでなく何人か同時に起こってしまうと職員は一人しかいない為、またまた大変です。
大変な夜勤をスムーズにこなす方法
大変な夜勤を1人でスムーズにこなしていくためには夜勤に対応していける生活リズムを作ることや夜間に活動している入居者の方の対応が重要になってきます。眠れず色々なことが気になってしまう方にどのような対応を行なえばよいのか?他の業務を1人でどのようにこなしていけば上手く回していけるのか私なりに試行錯誤して行えるようになった方法を伝えていきます。
生活リズムを作るための対応法
生活リズムを作ることは大変ですが、グループホームの夜勤は高時給で短い時間で効率よく働くことができるのでとても魅力的です!
そのため夜勤で働くと決めたらしっかり睡眠や栄養を取り、自分の体を大切にすることが長く続けるために一番重要なことになります。
実際に行なってきた生活リズム
出勤の日、まずは早めにお風呂です。あまり遅くにお風呂に入ると湯冷めしてしまうし体が自然と寝るモードに入ってしまうので早めにお風呂に入り、その後に食事が良いです。勿論湯舟にしっかり入ることをオススメします。
食事は(夕食)タンパク質や野菜をなるべく多めに摂るようにして炭水化物は少し控えるようにしていました。あまりお腹がいっぱいになるご飯など食べ過ぎると眠くなってしまうからです。肉や魚などのタンパク質や野菜は体に栄養のあるものをと思い意識して摂るようにしていました。
働き始めた頃は出勤前に化粧をして出勤していたのですが肌がカサカサしてしまうので勇気を出してやめました。化粧をやめてからは肌の調子はそこまで悪くならずに済みましたよ。
働いて帰ってきてからは軽く食事を摂って早めに寝ていました。日中出かけている家族が留守のため邪魔されず眠れるからです。寝ることは一番大切にしていました。ぐっすり眠れるようにカーテンも閉め携帯も音を切り静かな環境でぐっすり眠れるように心がけます。
夜勤で働いていても旅行や遊びも楽しみたいですよね。対策としてはやはり体に無理のないシフトで働くようにすることが一番です。遊びたいからと日中寝ないで遊んでそのまま出勤したり多少仮眠を取ったりしても体が辛いです。無理に生活リズムを崩すのは風邪引いたり体調を壊す元なのでしっかり休みを取って計画します。
入居者1人1人の対応法
①まずはソファーに誘いボリューム低めでテレビをつけ温かいお茶を出し話をゆっくり聞きます。最初は興奮されていますがひと通り十分に話を聞くと多少落ち着いた口調になります。この時のコツは思いを吐き出してもらい職員は本人の思いに同調するような姿勢を見せることです。少しずつテレビや他の話をして気を他にそらしていけるようにします。
②お腹がすいたと言われる方には日中おやつで出した小分けになっている袋菓子が余って冷蔵庫にあるので少し食べてもらいお茶でほっとしてもらいます。
③当分眠れそうもない方には洗濯たたみを手伝ってもらったり料理など手伝ってもらいます。
勿論最初は充分に話を聞いてからが重要です。
思いを吐き出すとスッキリすることもありますよね。
でもずっとダラダラと聞いてしまうと余計にその思いにとらわれてしまうので程よく気をそらしてもらえるようにしていきます。
この時に寄り添う私達もゆったりとした気持ちで接しないと気持ちは何故か伝わることが多く上手くいきません。きっと自然に態度や行動に出てしまっているのでしょうね。
また一人で対応できなく危険がある時は階ごとに職員がいるため内線で電話し助けてもらいます。究極に困った時は協力しあいます。
やはりコツや段取りが肝心
このように入居者さんが活動すればするほど他の業務が行えず時間との勝負になります。
段取りのポイント
①出勤した時に申し送りをしっかり行います。夜勤は大体職員が一人のところが多いです。そのため日中どのようなことがあったのか把握しておくと夜間にどうなる可能性があるのか予想できます。
②おむつ介助や咄嗟にないと困るものが使い捨ての手袋です。使い捨て手袋は常にポケットやポケットがない時はウエストポーチに入れいつも手元にあるようにしておくと便利です。
③朝の5時から朝食作りを行いますが、その時の状況に対応するために早めに一品、二品と用意しておき冷蔵庫で保管しておくこともあります。早めに用意する時はなるべく皆さんを起こしてしまわないよう静かに行えるように気を付けます。
食事は冷蔵庫内のあるもので3品程と汁物とご飯も炊きます。食材を使い過ぎても昼食分が困ってしまうので注意し作ります。
料理は困らない程度に作ることは出来ていたのですが、やはり皆さんに食べてもらうとなるといい加減なものは作れずレシピ本を持って行っていました。
冷蔵庫内にある食材でレシピ通りに作ることはなかなか出来ません。臨機応変に料理できる力が求められます。例えばレシピには玉ねぎと書いてあっても全く違う食材の卵などでも合うかなど考えて作ることが必要です。
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毎食の食事は私達もそうであるように入居者の方も楽しみにしてくれています。美味しいと言ってもらえると嬉しく思い、また美味しいと言ってもらえるような食事を作りたいと思います。料理の腕も上がり一石二鳥ですよね。
失敗しないためのコツ
①部屋に鍵をかけてしまう方もみえ夜間の定期的な見守りの時はいつもそっと鍵を開け様子を確認させてもらいます。敏感な方は気配に気づき起こしてしまうこともあります。そのため履物は素早く動け足音がなるべく出ない室内用のスニーカーがオススメです。
②おむつ介助で他の部屋に入っていても音がするとフロアへ出て他の方のトイレ介助に入ったり起きて来られた方の対応も行います。このような時は気持ちが焦りますが待ってもらえる方には待ってもらうよう声をかけて行うことで上手くいきます。ココは入居者一人一人をある程度どんな方か理解しておくとよいです。入ったばかりの時は他の職員からよく聞いておくことで全く知らないよりは理解できます。
まとめ
グループホームの夜勤は実はかなり大変です。
まずは生活が昼夜逆転するので今まで以上に体を壊さないように心がけることが大切です。
仕事内容は夜間なので見守りやオムツ交換、トイレ介助が中心ですがグループホームは認知症の方が入居しているので夜間は活動する人も多いです。しかも職員は大体1フロアに1人です。ココが大変です。
その為、その日の状況に合わせて朝食の準備などどうしても行わなくていけないことは時間に余裕を持って行なう必要があります。
最後に
一番大切なことは安全第一です。入居されている方が何事もなく一晩過ごしていけるようにお手伝いするのが職員の役目です。
かといって怖がる必要はありません。他のフロアの職員と連携を取りながら必要な時には上司に連絡し指示をもらえます。
グループホームの夜勤は入居者の方が自分を必要としてくれるのを身にしみて感じることができます。そんな時、この仕事で良かったと思える仕事です。